全国一般2005春闘強化の取り組み

3〜4月段階の取り組み強化について

全国一般第1回中央闘争委員会決定
2005年3月15日
1.春闘をとりまく最近の特徴的情勢
(1) 2005年3月期の決算は、全体として3年連続の増益見通しにある。特に、上場企業(大手企業)では、全体の8割が増益見通しにあり、株主配当は対前年比11%増加する見通しである。
 このように大手企業は増益基調で推移しているが、中小企業では仕事量そのものは増加傾向にあるものの収益構造での大幅な改善にむすびついていない。中小企業をとりまく環境は、原材料高にありながらも製品安という問題を抱えている。しかし、従業員数の過剰感もなくなり、残業も増加傾向のなかで、仕事・生産量の拡大が利益額の増となって現れている(中小企業金融公庫調べ)。
(2) 企業業績が回復するなかで、働くものの生活は悪化の一途をたどっている。昨年4月以降でみても介護保険料、健康保険料が引き上げられ、本年4月には雇用保険料もアップとなるなかで、勤労世帯の可処分所得は、98年以降6年連続でマイナスとなっており、労働側への適正な成果分配がなされていない。
(3) 完全失業率は、地域による格差があるものの全国平均で4.5%という高水準にあるが、もう一つの指標である有効求人倍率は0.91と改善してきている。
 生活防衛に向けての賃金・労働条件改善を精力的に取り組んでいく必要がある。
(4) 連合総研シミュレーションでも3%賃上げがデフレ脱却のカギ
@賃上げ3%実現のケース
 現金給与総額(30人以上)は8年ぶりに増加、実質経済成長率は1.5%となる。完全失業率は若干改善、消費者物価は若干ながら上昇し、デフレからの脱却の道筋が見え始めてくる。
A定昇程度の賃上げのケース
 賃金改定率が定期昇給分(1.6%)にとどまり、実質経済成長率は1.0%と2004年度に比べて半減する。消費者物価は前年比マイナス0.1%となり、デフレからの脱却の道筋がなかなか見えてこない姿となる。
 したがって、連合総研の分析では、「デフレ脱却の道筋が見えてくるかどうか、自律的な景気回復が実現するかどうかの分岐点となる年となる。このため、所得の増加につながる適切な収益の分配が行われることが極めて重要である」と賃金引上げの重要性を提起している。
(5) また、連合総研の所得税定率減税の縮小・廃止等の負担増の影響については、試算も行っている。そのポイントは、@2005年度だけで1.5兆円の家計部門への負担増が見込まれること(うち定率減税縮小分は2006年1-3月期の3000億円、社会保険保険料負担増6,500億円、その他税制改正による負担増5,200億円)、Aこれらの負担増の結果、定率減税全廃の影響がでる4年後の時点で実質GDPを0.8%押し下げると見込まれることである。

2.3・4月の闘いの具体的取り組み
(1) 全国一般組合員1万人調査でも賃金引上げが伸び悩むなかで、生活苦が広がっている状況があり、この改善は経営者の社会的責任であり、誠意をもっての交渉と回答すべきである。とくに、回答指定日前の前段交渉のなかで要求趣旨や組合員の賃金引上げへの熱意がこれまでになく高いという事実を経営側に徹底していく。
また、大手企業労組のベアゼロ=賃上げゼロでなく、定昇相当分の6000円前後の実質的な引上げがなされていることを確認し、引上げへの確約を勝ち取っていくことが重要である。
(2) 回答指定日での有額回答引き出しにむけ、地方本部での戦術設定を行い、誠実に回答しない場合には抗議行動を配置して取り組んでいく。職場集会、腕章・ワッペン闘争、組合旗掲揚、時間外拒否など職場の実態に即した戦術設定を背景に回答引き出しを迫っていく。また、地域事情もあるが地方労働委員会の活用も視野において戦術設定を行っていく。
(3) 3月末までの2次にわたる回答指定のなかで具体的回答を引き出すための取り組みを行っていくと共に、4月段階では、週ごとに地本段階の山場を設定し、精力的な団交を積み重ねていく。具体的には、4月8日、15日、22日に統一交渉日を設定し、遅くとも4月末決着をめざし、25〜26日を全国統一行動日として設定し、未解決分会解決促進の行動配置を行っていく。

3.統一要求の前進と地域共闘の推進
(1) 連合が取り組むミニマム闘争課題では、賃金カーブ維持分確保に加え、「パート労働者の賃金引き上げと企業内最賃の協定化」、「 不払い残業撲滅運動の展開と適正な労働時間管理の協定化」を重点的に取り組んでおり、全国一般も職場点検を取り組んでいく。とりわけ悪質な不払い残業については、告発の取り組みも行っていく。
 全国一般2005春闘ポスター「安心して生活できる賃金労働条件を」、連合ステッカー「点検、要求、交渉」「めざせ格差是正、均等待遇」を全ての職場で掲示し、全員参加の春闘取り組みをはかっていく。
(2) 定年延長・雇用継続、退職金引上げなど重点課題を設定しての取り組み
 賃金闘争とともに定年延長・60歳以降の雇用継続、退職金引上げ、職場改善要求など統一要求の前進にむけ、取り組みを強化していく。
 とくに、定年延長・継続雇用については、「高年齢者雇用安定法」が改正され、65歳までの継続雇用が義務化され、2006年4月1日施行となっている。ただし、労使協定により希望者全員を対象としなくてもよい、というものであり、中小企業で5年、大手企業で3年間は労使協定が整わない場合は就業規則でも良い、となっている。法施行は来年であるが本年60歳到達者でも62歳からの年金支給となっているなかで、定年延長・継続雇用の制度化を重視して取り組んでいく。
 希望者全員でない場合でも、厚生労働省の指針では「会社が特に必要と認めたもの」や「上司の推薦があるもの」などという選考基準に具体性、客観性のないものは認められないとしており、具体的及び客観的に予見できる基準づくりがポイントになる。全国一般は、法の趣旨である「希望者全員」の継続を求め取り組みを行っていく。
(3) 政策制度の闘い
 1月21日から通常国会がスタートした。連合は、下記の事項を最重点課題と設定し、取り組みを進めている。
<最重点課題>
・これ以上の負担はもう限界 定率減税の縮小・廃止反対
・安心の年金・介護・医療を 社会保障制度の抜本改革実現
・働き方による差別を許さない パート労働者の均等待遇法制化
<重点課題>
・若者と地域に元気と活力を 雇用と地域活性化の予算編成
・労使協議なき賃金決定に反対 公務員の労働基本権確立
 全国一般も連合が取り組む政策闘争・行動に積極的に取り組んでいく。
(4) 平和と民主主義を拡充する取組み
 イラク戦争は、一層の泥沼化の様相を呈している。1月末にイラク国会議員選挙が行われたが、イラクにおける占領反対勢力と米軍との戦闘は依然としてつづいている。自衛隊が駐留するサマーワでもロケット砲攻撃や抗議デモも起こっている。このような中で、イラク侵攻2周年を迎える3月19日にはワールドピースナウ、平和フォーラムなどが「終わらせようイラク占領 撤退させよう自衛隊」集会・デモを企画している。これらの戦争反対、平和の取り組みを2005春闘のなかで積極的に取り組んでいく。
 また、平和フォーラムが取り組んでいる、もんじゅ闘争での国会行動やハガキ行動なども積極的に取り組んでいく。

4.地域共闘強化
(1) 連合は、中小・地場共闘について、以下の枠組みで具体化をはかっていくことを春闘の具体化で提起している。
@エントリー参加基準
 要求書を提出し、交渉を展開する中小組合(組合員300人未満の組合)で、おおむね6月末までに解決が見込める組合とする。
A産別登録と集計
 参加基準を満たす組合を抱え、連合と連携し中小・地場組合の交渉を支援する産別は、1月末までに連合中小共闘センターへ登録する。
 産別は、集計日程にあわせ単組ごとの賃上げ妥結結果を連合中小共闘センターへ報告する。連合は、賃上げ集計結果を発表する。
B地方連合会の対応
 地方連合会は、地方中小共闘センターを必ず設置し、産別地方組織等と連携、参加組合を集約し、共闘強化の具体的前進をはかる。また、状況に応じ、地方中小共闘センターを拡大し、産別地方組織の代表者や単組代表者も参加させる。こうした取り組みを支援するため、産別は、産別地方組織や単組、支部の指導をする。
(2) 地方連合会の取り組みでは、「地方中小共闘センターを必ず設置」して地域における中小・地場共闘強化を打ち出している中で、全国一般はこの方針を積極的に受けとめて、地域段階での相場づくり、回答促進の行動配置、共闘強化を追求していく。
(3) また、4月段階では地場・中小労組の闘いにとって地域段階での共闘体制はきわめて重要であり、自治労など官公労組、春闘賃上げ要求を取り組んでいる私鉄総連など官民労組との連携を追求するなかで春闘の追い上げの闘いを取り組んでいく。
(4) 2005春闘を取り組むなかで、全国一般組織強化・拡大の取り組みを組合員参加のもとで進めていく。組織拡大ビラの配布なども工夫して組合員の参加を求め、また相談活動なども専従者や一部役員の請負を廃し、多くの役員・活動家が参加のもとで運動強化をはかっていく。
以  上