2003年10月17日

ジャージ高木乳業事件 勝利判決!

元社長に賠償命じる


 牛乳の再利用により食中毒事件が起き、工場閉鎖、全員解雇が出されるなかで、雇用責任を追及し、損害賠償を求めながら2年間の裁判闘争を闘ってきた石川地本ジャージ乳業分会。
 粘り強く闘い続けてきた結果、10月6日、社長の違法行為や過失などが原因で廃業し、解雇されたものであるとの企業責任を認めさせる勝利判決を勝ち取ることができた。
元社長に4000万支払い命令 −ジャージー高木乳業廃業訴訟−(読売新聞03.10.07)
 ジャージー高木乳業(金沢市、セイワンに社名変更)の元従業員ら14人が、会社が廃業したのは高木成晶元社長が職務を怠ったのが原因として、高木元社長に将来受け取るはずだった賃金や慰謝料など約2億4千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が6日、金沢地裁であった。井戸謙一裁判長は訴えの一部を認め、高木元社長に慰謝料など約4千万円の支払いを命じる判決を下した。
 判決によると、同社は一昨年4月末、異臭がするとの苦情を受けて213本の牛乳を回収した。だが、当時の製造部長の指示で再利用して出荷、牛乳を飲んだ金沢市内の児童らが吐き気などを訴えるなどした。同社は営業禁止処分を受けた後、翌月に廃業。その後、全従業員を解雇した。
 高木元社長側は「再利用の指示を下したことはなく全く関与していない」と主張していたが、井戸裁判長は判決理由で「社長は再利用禁止を指示する義務があったのに、これを怠る重大な過失を犯した」と指摘した。ただ、将来賃金については「額の認定は困難」として認めなかった。
 なお、高木元社長は8月に亡くなったため、遺産相続人が支払い義務を負うことになる。
高木乳業訴訟 元従業員への賠償命令  −社長に、1人330万円−(朝日新聞03.10.07)
 回収した牛乳の再利用が発覚、廃業したジャージー高木乳業(金沢市)の元従業員12人が、高木成昌・元社長=故人=の違法行為や過失などが原因で廃業し、解雇されたとして、将来受け取るはずの賃金や慰謝料など計2億4千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が6日、金沢地裁であった。井戸謙一裁判長は「職務上の重大な過失があった」として、元社長に計3960万円(従業員1人当たり330万円)の支払いを命じた。
 判決では、高木元社長は回収牛乳の廃棄を指示する義務があったのに怠り、重大な過失があったと指摘。会社の廃業との因果関係も認め、突然の解雇にともなう慰謝料の支払いを認めた。将来賃金については主張を退けた。
 同社は01年4月、苦情で回収した牛乳を学校給食用に再利用し、380人以上の小・中学生らが吐き気などの異常を訴えた。同社は01年5月廃業した。
金沢地裁/元社長に損害賠償命じる
ジャージー高木乳業の解雇事件 ―食中毒事件の過失を認定−(連合通信・隔日版)
 石川県金沢市のジャージー高木乳業を解雇された従業員が、元社長に賃金などの損害賠償を求めていた事件で、金沢地方裁判所は10月6日、従業員一人当たり330万円(総額3960万円)の支払いを命じた。同社廃業の原因になった食中毒事件について判決は、回収した牛乳の再利用を防がなかった元社長の過失を認めている。
 同社は、2001年4月にスーパーから回収した牛乳213本を再利用して学校給食用の牛乳を製造。牛乳を飲んだ児童生徒約400人が食中毒を起こし、その後に営業禁止命令を受けて廃業した。従業員は全員解雇された。
 従業員の加盟する全国一般石川地本ジャージー乳業支部は「社長は回収牛乳を再利用しないよう指示、監督する義務を怠った。会社が存続していれば得られただろう賃金と慰謝料を支払うべきだ」と訴えていた。
 判決は元社長に対し「回収牛乳の廃棄を具体的に指示すべきであった」とし、消費者の信頼が不可欠な牛乳メーカーのトップとして「重大な過失であったとの評価を免れない」と指摘。損害賠償責任を認めた。
 賠償額は、慰謝料など一人当たり330万円。将来賃金の支払いについては退けられた。
 石川地本の高原壯夫委員長は今回の判決についてこう語っている。
 「雪印事件のあとも企業の責任による不祥事が相次いでおり、その都度、工場閉鎖・リストラ解雇など犠牲になるのは労働者である。判決で出された損害賠償(額)は満足できるものではないが、食中毒事件は社長が引き起こしたに等しいと、その責任を明確に示した。多くの労働者が泣き寝入りしているなかで、この判決の意味は大きい」