2003春闘方針の具体的取り組み(その1)
全国一般労働組合
T. 2003春闘情勢の特徴
失業率は高水準のままであり、有効求人倍率も悪化している。失業の長期化、若年層の就職難もかつてない厳しさである。賃金・労働条件決定を市場競争に委ねたらその悪化は避けられない。だからこそ、企業や産業別組織を越えての春闘がある。
 賃金闘争のみならず、連合が設定するミニマム闘争課題では、パートなど非正規雇用労働者の均等待遇をめざしての賃上げと企業内最賃の協定化、賃金不払いの残業の一掃も切実な課題である。リストラ合理化がすすむ中で、有給休暇の取得率の低下と不払い残業が横行してきている。労働基準監督署による不払い残業の是正指導も2002年9月までの1年半で100万円以上支払った企業は613社、約7万人で総額81億円にのぼっている。まさに労働の分野は「ルールなき世界」の様相を呈している。したがって、法違反を許さない取り組みも重要な課題となっている。
 また、日本経団連は、昨年12月17日「経営労働政策委員会報告」を発表した。その内容は、企業利益の安定・確保をはかるため総額人件費を押さえ込みに終始し、ベアゼロ、賃下げにまで踏み込み、企業の社会的責任さえ放棄してきている。
U.連合の当面の闘争方針
(1)連合は、1月10日に第2回中央闘争委員会を開催し、2003年春季生活闘争当面の方針(その2)でミニマム闘争課題などの取り組みと闘争日程設定を確認してきた。 それは、雇用確保の取り組みをすすめ、各産別は、人員削減や倒産等の迅速な状況把握を行い、個別支援対策を強化する。連合、地方連合会は、産別、産別地方組織と連携し、個別組合への支援体制を強化することを提起してきている。
 春闘要求の取り組みでは、すべての組合は、ミニマム運動課題を中心に、原則として、2月末までに要求書を提出する。格差是正を求めるところ、賃金への配分ができると組合が判断したところはベア要求に取り組み、各産別は3月内決着をめざし交渉を強化する。
 連合は、先行組合を中心とした回答引き出しゾーンをつくる。3月12〜14日を中心に調整を行っていく方針である。
(2)しかし、連合春闘方針の「賃上げができると判断したところは取り組む」という連合方針のもとで、連合加盟の主要産別は統一要求を設定せずに、各単組の判断にまかせるなかで、ベースアップ要求を取り組む組織が大幅に少なくなっている。「連合の調整、産別の責任」という基本は、結局のところ単組の判断になるなかで、春闘の原点である、企業や産別を越えての取り組みという基本が揺らいでいる。
(3)中小・地場共闘の取り組み強化では、中小・地場組合の雇用確保、賃金底上げに向けて早い段階から個別の支援対策を強化するなど、連合全体の取り組みとして進めていくとして、
@不良債権処理の加速の動きなどに備え、政府の雇用維持施策などを最大限活用して、雇用確保に全力で取り組むとともに、事前協議制や人事条項、労働債権確保など労働協約の整備を行う。
A賃金カーブ確保の取り組みを基本とし、賃金要求の提出が困難な場合でも雇用確保、経営安定化、退職金の確保など何らかの要求を掲げ労使交渉を行う。また、不払い残業撲滅や適正な労働時間管理の協定化にも積極的に取り組む。
B4月19日を一つの節目として、中小・地場組合支援激励行動ゾーンを設定し、地 域協議会単位の行動を展開する。
C中小政策についての対政府要請行動を、2月下旬の「格差是正フォーラム」開催時を含め適切な時期に設定する。
V.全国一般の当面の取り組み
1.要求提出に向けての取り組み
(1)春闘体制の確立と取り組み
@第1回中央委員会を期に、中央執行委員会を「中央闘争委員会」に切り換え闘争指導を行っていく。
A2003春闘を総合力を発揮して取り組んでいくため、要求・回答や他産別の状況も含め情報活動を強化して取り組んでいく。定期的に発行している「闘争情報」「情報FILE」に加え「春闘情報」を発行していく。
B春闘を取り組む中で、未組織労働者など幅広く中小企業労働者に呼びかけていくため「組織化ビラ」を取り組み、各地方本部段階で統一行動を配置し、組織拡大運動を取り組んでいく。
(2)組合員の声を大切に要求を組織する
 1〜2月に、ブロック、地方本部段階で春闘学習・討論を組織し、全国一般のすべての分会・支部が、春闘要求に向け体制確立をはかっていく。全国一般の組合員アンケート調査でも66.3%の組合員が「賃上げ要求をとりくむべき」と上げている。「経営環境が悪く取り組めない」とする組合員は22%であるが、この内でも職場の改善課題の第1位に「賃金引き上げ」を43.9%の仲間が上げている。このような組合員の意識を大切にして要求討論を組織していく。連合の賃金政策でも「生活をクリアする」ことが大前提であり、しかも低い水準で時間外労働手当てや家族総働きでやりくりしている全国一般の仲間にとって積極的に賃金引き上げ要求を取り組んでいく必要がある。
 要求討論を組織するなかで、2月末までに各分会は要求提出を行っていく。
2.三月段階における取り組み
(1)定昇相当分確保+格差是正で生活改善を
 悪化する経済・雇用情勢と大手主要労組のベースアップ要求見送りにより、経営側の賃金・労働条件切り下げの攻撃が一段と強まるといえる。しかし、連合での1年1歳の間差(賃金カーブ維持分=定昇相当分)は、5,700円であり、ベアを取り組まないトヨタ労組は6,500円の定昇は確保している。したがって、「ベア断念=賃上げゼロ」ではない。
 要求提出時の経営に対し、生活実態、格差是正、定昇相当分の確保など要求趣旨を徹底していく。また、富山地本や福岡地本で取り組んでいる集団的要求趣旨説明の開催など地域全体での引上げを視野に入れた行動も条件があるところは取り組んでいく。
(2)第一次回答指定日に向けての取り組み
 連合が3月第3週の12日を軸に第1次集中回答ゾーンと設定している。ベースアップを取り組まない大手労組の定昇相当分について、連合は情報開示していくとしている。これらの動向をふまえ、全国一般は困難ななかでも地場中小の相場形成を自らはかっていく決意を固め、春闘要求を取り組んでいる中小労組の結集、自治労など官公労の仲間との連携で地域共闘を追求し、要求獲得をめざしていく。
 賃金闘争を取り組むなかで、特に、反失業の闘いを重視し、雇用に関する事前協議・同意約款協定の締結を柱に、定年・雇用延長、退職金引上げ、時間外割増率の引き上げ等をふくめ3月末決着をめざして精力的に闘いを進める。
(3)3・14全国一般第一次統一行動を取り組む
 3月14日に全国一般「中小企業労働者危機突破中央行動」として、関係省庁や団体への申し入れ要請行動を実施する。その前日の3月13日に第2回中央闘争委員会(第8回中執)を開催し情勢分析を行うが、各地方本部は3月18日の第1次回答指定日には必ず有額回答を引き出すため、3月の早い段階から事前交渉・回答確約などの前段交渉の強化にむけた、体制固めや統一行動を配置していく。
(4)官民労働者の地域共闘の強化を取り組む
 ◆第2次統一行動  3月28〜末日
 第2次回答指定日である3月28日の直後に地方本部段階で統一行動を配置し、ゼロ回答、低額回答、賃下げ労働条件引き下げの逆提案など回答不満の場合、職場集会、赤旗掲揚、時間外拒否やストライキをふくむ戦術を配置し、回答引き出しに全力をあげていく。
 連合は3月末決着にむけて、3月28日に2003春季生活闘争解決促進中央総決起集会を開催する。各地方連合会が取り組むところは積極的な参加と、地域で開催されないときは全国一般として要求を取り組んでいる産別・労組や自治労など官公労の仲間とも連携して地域行動・集会を取り組んでいく。
3.四月段階の戦術配置について
 すべての分会が4月決着をめざして連続的に団交を取り組んでいく。4月上旬には連合中小共闘センターでは妥結基準等の検討が行われる。また、地方においても地方連合会中小共闘センターの様々な取り組みが行われるが、積極的な参加による地域共闘の推進と共に未解決組合の相互激励オルグ活動の実施を行いっていく。とりわけ4月19日を未解決組合の解決促進のための「全国統一行動日」に連合が設定しているので、ここを節目に集中した取り組みで解決促進をはかっていく。
 なお、4月段階の具体的戦術は第2回中央闘争委員会で検討し、「中央闘争委員会指令」で全職場に徹底していく。