2002年1月1日
中央執行委員長 田島恵一

2002年 新年にあたって

安心して働き生活できる社会づくりに向け、ひとり一人を大切にする全国一般運動をすすめよう



 新年あけましておめでとうございます。

 21世紀に入っての一年が経ちましたが、明るい展望がみえてこないどころか、ますます社会が混沌とし、働くものをとりまく環境は一層きびしさを増してきています。失業者は350万人を数え、失業率は5.5%という高水準にあります。失業者の増大は社会の歪をあらゆる局面で広げてきています。自殺・家庭の崩壊、強盗事件など犯罪の多発、失われる思いやりの心。それだけではありません、失業者が増えつづけるということは、働いているものの職場では「雇用があるだけ良いではないか」と、賃金の引き下げ、「希望退職」募集、サービス残業の横行など労働条件や権利の低下に直結してきています。正規雇用が削減されるなかで、新たに採用されるのはパート、契約、アルバイト、派遣など「非正規」といわれる有期雇用労働者となっています。

 かつては企業の繁栄が労働者の豊かさと労働条件向上が一体のものとして捉えられていましたが、今日では企業が競争力を強化し繁栄していくために、労働者への犠牲転嫁が横行し、賃金・労働条件の引き下げ、雇用不安が増してきています。とりわけ、中小企業においては金融機関による貸し剥がし(債権回収)、融資条件の引き上げ、親企業からの下請け単価の引き下げ、製品価格の下落によって経営環境は一段ときびしさを増してきています。このような背景のもとで労働組合が「わが社主義」に埋没して、賃金や権利のダンピング競争にさせてはなりません。このような時こそ労働組合の社会的使命を発揮していかなければならないはずです。

 小泉政権は「聖域なき構造改革」を標榜し、サプライサイド(供給側=金融機関や大手企業)の強化こそ必要であるとして働くものと中小企業へ痛みを強要し、一層の雇用不安と社会不安を増幅させています。
 このようななかで全国一般の各地方本部には、「いきなり解雇された」「正規雇用からパートに切り換えるといわれた」「産休を申請したら退職強要された」、「会社が経営危機で賃金が遅配になっている」など、電話やEメールで切実な労働相談が相次いでいます。労働組合がない職場では日本に労働法規があるのかと思うほど「なんでもあり」のルール無視が広がってきています。私たち全国一般は労働相談活動、労働組合づくりを積極的に取り組んでいくとともに、自らの雇用と権利を守るための取組みを強めていくことが肝要です。
 当面する2002春闘は、企業主義を超えて、雇用と生活を守るため定期昇給相当分(賃金カーブ維持分)に加え、生活向上分、格差是正分を生活実感・実態から要求づくりをすすめ闘いを組織していく決意でいます。誰もが安心して暮らせる社会を築くためにも労働組合の役割りと任務は重要です。

 加えて重要なのが平和を守る取組みです。昨年9月11日に米国で発生した「同時多発テロ事件」は断じて許せませんが、同時に米英軍によるアフガニスタンへの報復戦争にも断固として反対し糾弾するものです。アフガンへの空爆は、多くの市民を犠牲にし、数百万人ともいわれる飢餓難民を生み出してきています。小泉政権は、「テロ撲滅」を大義名分に、米国の「報復戦争」にいち早く支援・協力を宣言し、憲法が禁止する集団自衛権の行使に踏み込み、自衛隊を海外派兵するなど戦争政策を推し進めてきています。このことは必然的に日本における有事法制体制・憲法改悪に踏み込んでいく道といえます。
 労働組合の社会的使命は労働条件の課題だけではありません。平和と民主主義を守る勢力としての役割もあわせて重要であることはいうまでもありません。21世紀をテロと戦争の世紀にさせないためにも平和と民主主義をまもり平和憲法を守る戦いを積極的に取り組んでいくことが重要です。

 ひとり一人の仲間を大切にする全国一般運動をすすめていくなかで、安心して働き生活できる社会づくりに向け、組合員ひとり一人の参加によって奮闘していくことを訴え、新年のごあいさつといたします。