2001年08月28日
全国一般労働組合
第55回定期全国大会

全国一般は8月26日から三日間、山形県天童市で第55回定期全国大会を開催した。

2002年度運動方針(抜粋),第55回定期全国大会スローガンは下記のとおり。


2002年度運動方針(抜粋)

T.はじめに 〜不安を吹き飛ばす新たな労働運動の地平を切り開こう〜

  1.  「仕事で強い不安やストレスを感じている勤労者が増えている中、厚生労働省は企業のメンタルヘルス(心の健康)対策支援に乗り出す」と一般紙が報じている。激化する企業間競争は職場での働く者の仲間同士の競争を加速している。隣りで仕事をしている同僚は皆ライバルといった職場では、息をつくことができなく、悩みや弱みを打ち明けることも出来ない。常に全力で泳ぎつづけなければ溺れ死んでしまう環境にあるといえる。一人ひとりがバラバラならば常に泳ぎつづけなければならないが、職場の仲間が共同で「船」をつくることによって、悩みや働き方を改善できるはずであり、その「船」が労働組合である。しかし、希望退職募集に殺到する状況、企業不祥事にチェックできないありよう、リストラという名の雇用合理化と高い失業率、増える自殺者の現状など、労働組合の「船」にもほころびがみえている。しかし、その「船」がしっかりしていなければ、「ちょっと泳ぐのをやめる(有休の取得、育児・介護休業の取得などや、さらには病気にさえおちおちなれない)」などといったら成果主義賃金のもとで評価下がってしまうのが、今日の働く者の現状である。連合総研の調査によれば4人に1人が失業の不安を抱え、3人に1人が友人・親戚に失業者がいる、と答えていることにも裏付けられている。
     問題は、労働者が安心して働きつづけられる環境をつくることが必要なのだ。そのためにも、働くルールの確立とみんなが乗れる「船(労働組合)」を職場や地域のすみずみに確立していくことが重要である。パート、契約、派遣など有期雇用と時間給賃金を共通項とした非正規雇用労働者が急速に拡大している中では、正規雇用労働者(正社員)だけが乗れる「船」であってはならないし、全国一般という船は、ひとり一人が企業という枠を越えて、雇用形態を問わずに地域に根を張った組織でありつづけなければならない、働く者の権利や人間としての尊厳さえ傷つけられる今日の労働環境の改善と雇用を守るための活動強化を全組合員が一丸となって取り組んでいく必要がある。

  2.  とりわけ中小企業においては企業の倒産・経営危機も加わり、いつ失業するかわからないという不安が広がっている。加えて、社会保障政策も寒々とした状況のなかで将来への不安も加わっている。
     2001春闘での賃金引き上げ要求に対し、賃下げの逆提案を強行する経営者の姿勢が顕著であり、経営者の都合で一方的な賃金・労働条件の切り下げや解雇が広がっている。これらの労働者犠牲に対し、雇用と権利を守るために必死になって取り組んでいる仲間に、経営者は「世界に名だたる企業でもリストラしているではないか、わがままを言うな」「コスト競争に勝ち抜くためには雇用合理化は不可欠」という姿勢で臨み、賃金や労働条件の引き下げが「競争力強化」の大きな武器として働く仲間にのしかかってきている。
     雇用があってこその企業社会でないのか、働く者が安心して働ける条件があってこその企業社会でないのか、というこれまでの常識が覆されようとしている。雇用と権利を守る組織としての労働組合の存在価値が問われているし、権利と雇用は譲れないという確信をもった運動の追求がきわめて重要になっている。

  3.  雇用の場では正社員・本工が削減され、パートタイマー、アルバイト、契約労働者や派遣労働者など非正規雇用労働者が増大の一途をたどっている。
    非正規雇用労働者が拡大傾向にあるなかで、働くルールの最低基準である労働基準法さえ無視して働いている仲間が激増している。勤務して半年たっても有給休暇が保障されない。時間外手当が支払われずにサービス残業を強いられる。法律で保障されている雇用保険や社会保険さえ未加入で働いている。当然の権利である有給休暇や産前産後の休暇を申し出たら解雇を言い渡された、など労基法違反の事例が後を絶たない。未組織職場では、「労働法規無視」が当たり前という状況さえ生まれている。働く者の権利(の低下)が「競争力強化」となって現れている現実がある。
     これらの状況下で働く仲間の組織化はすべての労働組合に課せられた課題であるが、企業別を単位とする労働組合では限界があり、企業や雇用形態にとらわれることなく「ひとり一人が加入する労働組合・合同労組」として地域に団結する全国一般の役割はこれまで以上に増す状況下にある。したがって、これまで培った労働相談活動、組織化運動を生かし発展させるなかで、新たな合同労組運動を構築するために取り組んでいく。

  4.  閉塞感が充満する日本社会で小泉自民党政権が誕生し、変革への「期待」が異常な高支持率となって現れている。しかし、この高支持率を背景に「聖域なき構造改革」「不良債権の最終処理=倒産・失業の増大」「靖国神社公式参拝・集団自衛権・憲法改悪」の明言など「弱者」を切り捨てて強権政治を追求するのが小泉自民党政権である。緊急経済対策、不良債権の最終処理という小泉政権の大企業中心的な市場の論理を柱にした政策のもとで、金融資本や親会社からのリストラ強要、単価の引き下げは一層強まり中小企業では、経営危機の深化、倒産・閉鎖が拡大する状況にある。
     このようななかで企業を超えた業種・産業政策の取り組み、企業法制・労働法制の改悪を許さない取り組み、権利をまもるためのワークルール確立の取り組み、社会保障政策の充実、平和・民主主義の拡充など取り組むべき課題は多い。
     全国一般は、このような情勢下で労働組合としての原点である雇用、権利、生活をまもるために職場の仲間の切実な声を積極的に汲み上げた活動を全国各地で追求していく。

U.内外情勢の特徴(略)

V.2002年度「運動の基調」

  1.  労働組合が働く仲間の要求や不安を汲み上げて運動を組織するなど存在感と社会的役割を発揮しなければならないのに、実態は不十分である。世界に名だたる数々の大企業やIT技術の先端産業でさえリストラという名の労働者犠牲が横行している。そのリストラによって大企業の「企業収益」は大幅に改善してきている。経営の都合での「希望退職」募集と殺到する退職希望者など職場を基礎とした労働組合の運動の再構築が求められている。労働組合は、社会正義と公正を追求する労働者の組織であり、日本経済の矛盾が労働者や中小企業に集中するなかで、雇用形態にとらわれることなくあらゆる労働者に門戸を開放した組織として全国一般の社会的役割はますます重要性を増している。組織体制の確立・強化をはかるなかで働く者ひとり一人が企業の枠を越えて加盟する合同労組運動の原点を大切にしての運動追求を目指していく。

  2.  企業間競争が一層強まるもとで、その矛盾・しわ寄せが労働者にのしかかり、中小企業に倒産・経営危機が集中してきている。しかも、中小企業の職場では、政策や大手企業に翻弄される事態もひろがっており、企業内労使交渉での改善できる余地は狭まってきている。労働者保護や中小企業政策や産業・業種別政策の充実化を早急にはかっていかなければならない。
     さらに日本経済の低迷がつづくなかで、企業法制、労働法制が次々と改変され、加えて社会保障制度に対する信頼も薄れる中で、働く者にとって雇用と生活、将来への様々な不安がひろがっている。現に失業者は300万人を越え、将来に展望を失っての自殺者も3万人を超えている。若者にとっても働く意欲はあるものの就職口は狭くフリーター現象はつづき、派遣、パートなど非正規雇用分野でも増大傾向にある。
     このような現実のなか、法で保障されている自らの労働条件を労使対等で協議し決定するという権利のもとで働いている仲間は民間企業では5人に1人であり、中小企業では100人に2人でしかない。しかも、労働基準法では、労働者代表制が働くルールづくりに数多く取り入れられ、労使協議に委ねる事項が増えつつある。労働組合が組織されていない職場では、経営者の意向が色濃く反映されるのが実態であり、未組織企業での労働組合づくりは喫緊の課題となっている。労働組合が存在する企業でも非正規雇用労働者の組織化をすすめていかなければ労使協議に必要な過半数要件さえ奪われてしまう事態に直面せざるをえない。
     産業・業種を問わずパート、派遣などあらゆる雇用形態で働く仲間が安心して参加できるのが全国一般の特長であり、企業内労使関係を超えた運動を主体的に取り組み、積極的に職場の内外で未組織労働者の組織化を最重点課題として取り組んでいく。
     同時に雇用形態によって賃金、福利厚生、労働条件が大きく異なる現実を改善していくために、国際的な労働基準として存在するILO175号条約の批准と国内法の改善を取り組んでいく。

  3.  あらゆる労働者の賃金と水準の引き上げに大きな役割を果たしているのが春闘である。その春闘が大きな転機を迎えている。それは、相場の形成と波及効果が急速に失われている。労働者の団結力・闘いの結果としての賃金引き上げよりは、企業の業績に依存しての賃金引き上げや一時金決定として現れ、結果として格差が拡大する傾向が強まってきている。また、職場内においては、成果主義賃金の導入や中小企業においてはゼロ回答・賃下げの逆提案も数多くの職場で出されてきた。企業内で完結することなく、労働者が団結して取り組んでいくことが重要であり、春闘再生に向け取り組みをすすめていく。
     また、様々なミニマムが取り組まれているが、そのベースとなるのは法定最低賃金である。現在各県毎に定められているが、格差が企業規模や雇用形態など多分野で拡大傾向にあり、しかも競争は単に国内にとどまらずグローバル化している現状を踏まえるならば、賃金のナショナルミニマムの確立として全国一律最賃(全国全産業一律最低賃金制)を掲げ、組織労働者の一大運動として取り組んでいくことが重要となっている。したがって、全国一般は全国一律最賃闘争を正面に掲げその取り組みを中央、地方で展開していくことを追求していく。
     春季生活闘争は『社会的所得分配システム』の実践であり、その機能を失ってはならない。ナショナルセンターである連合を中心にすべての構成組織がたとえ苦しくとも春季闘争を組織することが労働組合の社会的使命である。中小労働者の労働条件は、大企業と比べて格差が拡大し、『ゆとり・豊かさ』にほど遠いのが現実である。この中小労働者の声を連合運動に反映させ、全国一般は21世紀においても毎年春闘を組織していく

  4.  森自民党政権のもとで政治不信が高まり、代わって登場した小泉政権は異常な国民的支持率を得ている。しかし、「小泉内閣の誕生が政権交代を意味する」と言おうが、小泉総理は自民党の派閥の長として森政権を支えてきた最大功労者であり、しかも「聖域なき構造改革、不良債権の最終処理、靖国神社公式参拝、集団自衛権、憲法第9条改悪」など勤労国民への犠牲強要と軍事大国化を目指す危険な政権として登場してきている。その危険性を暴くことなく、「構造改革」で同調する民主党の対応など不安材料があるが、全国一般は小泉自公保政権の危険な役割と平和を脅かす政策に明確に反対していく。国会の場では憲法調査会での議論が重ねられているが、その論議の焦点は憲法前文と第9条である。全国一般は憲法前文と9条を堅持し、憲法改悪に反対する態度を明確にして平和・民主主義課題を取り組んでいく。
     同時に、政策・政治課題の実現に向け、労働者に依拠した社会民主主義にもとづく民主・リベラルの政治勢力(社民党及び民主党)と連携して、諸課題を取り組んでいく。

  5.  これらの活動をすすめていく上で重要な課題は、全国一般(中央・地方・職場)の機能と主体条件の強化である。中小企業労働者の声や悩みを結集して取り組んでいくにしても、その主体確立がなければ権利・社会的地位の向上はのぞめない。組合員一人ひとりが、全国一般運動に参加して、運動課題を担っていく中央・地方本部体制の確立・強化に向け具体策を提起して取り組んでいく。とりわけ、様々な課題について企業内での処理に終わらせることなく、地方本部役員・専従者が職場の交渉にまで係わり、目的意識をもって地方本部としての交渉単位を確立することが重要となっている。
     社会的には多数派である中小企業労働者が労働運動や政治の場では「少数派」に置かれ、矛盾やしわ寄せを集中して受けている。中小労働運動の強化をめざす立場から全国一般は連合運動における中小労働者の意見反映を強め、中小企業労働者は自らの組織を持ち、発言し、闘いをつづけていくことを堅持し、中小労働者の大同団結をめざしていく。

  6.  グローバル化、規制緩和、競争優先主義に加え、IT技術(情報通信技術)の進展は労働や社会の分野で急速に浸透しつつある。労働組合活動の面でも積極的に取り入れての活動が必要であり、全国一般もインターネットでのホームページを中央本部、地方本部(8地本)で開設し、Eメールでの労働相談も19地本で対応してきている。また、中央本部では携帯電話のiモード対応のホームページも立ち上げてきている。このホームページは労働相談の全国ネットワークとしての特長を生かし、未組織労働者の組織化運動を最重要課題として取り組んでいく。

W.具体的闘いの課題

  1. 雇用・権利を守る闘い
    1.  国際競争に耐えられるシステムへの転換をはかるとして規制緩和を基調とした企業法制の一連の改悪がすすめられてきた。独占禁止法の改悪による純粋持ち株会社の解禁、産業再生法の施行、和議法に代わっての民事再生法の施行など、労働者の権利がないがしろにされている。
       2000年5月には企業分割を簡易にできるための商法「改正」が国会で成立し、会社の財産・債務を、分割計画書の定めにより、新設会社または既存会社に包括承継する会社分割制度が創設された。分割計画次第では雇用を承継しないことや逆に労働者を同意なしに移行させることもできるのが同法である。あわせて労働契約承継法案も成立しているが、これら一連の企業法制の改変は労働者への犠牲を強要するリストラ法案として共通している。すでに電機、情報通信、化学、紙パルプなどの業界大手では分社化を促進させている。

    2.  一連の企業法制の改変に連動して労働法制の改悪もすすめられてきている。裁量労働制の拡大、労働者派遣法の「改正」など労働法制の「規制緩和」がすすめられ、職場ではパート労働者、契約労働者、派遣労働者など非正規雇用労働者が拡大してきている。また、労働裁判での整理解雇における判例においても、4要件を取り入れることなく、「解雇は経営者の自由」という論理がまかりとおり、その不当性を労働者側が立証しなければならないとする判例が相次いでいる。広島地本・大成生コン不当解雇争議でも広島地裁は整理解雇4要件を満たしていない不当解雇に対して、解雇を認める仮処分命令を出している。
       企業の首切りリストラを増長する攻撃が強まる中で、整理解雇4要件を具備した解雇制限法は喫緊の課題である。全国一般は、整理解雇4要件を最低基準としての解雇制限法制定を要求していく。

    3.  全国一般に現れている今日の雇用合理化では
      @親企業・取引先、金融機関などからの合理化圧力やコストダウンに起因する合理化
      Aデフレ傾向が強まり、アジア製品との競合のもとでの単価下落による合理化
      B規制緩和、競争至上主義が強まるもとでの合理化
      C企業の再編・統合、分社化での合理化など
      ・・・多様な形態をとりつつも、労働者への犠牲強要という共通項で一致している。この企業の再編下で労働組合の否認、企業内組合化への攻撃が強められつつあり、それは企業の許容範囲で活動する労働組合像を経営者が求めてきていることが浮び上がってきている。
       自動車教習所は公益法人から民間私企業への転換が規制緩和政策によってすすめられているが、公益法人である長野県自校(県内に5校所)では、自動車メーカー系列による買収が表面化するなかで、「全国一般からの脱退が買収の条件」という不当な要求のもとで、管理者側からの全国一般脱退工作が強められ、一部脱退したものの、全国一般の旗を守りがんばっている。いわゆる、企業の買収や合併など政府の規制緩和政策や商法「改正」のもとで今後増えていく傾向にあるが、資本関係の変更時に組合いつぶしや労働者の権利剥奪の動きが強められる傾向にあるなかで、常に点検を怠らずに監視していく必要がある。

    4.  政府が6月28日に発表した主要銀行の不良債権額は12兆円(破綻・懸念先債権)となっている。この処理によって39〜60万人が離職し、13〜19万人が失業するとすると試算している。民間のシンクタンクである日本総研では150万人、ニッセイ基礎研究所では130万人との試算に比べ低い数字となっており、100万人前後が新たに失業するのが現実味を帯びてきている。聖域なき構造改革、不良債権処理の「痛み」は労働者や中小企業に集中する情勢のなかで雇用・権利・生活を守る取り組みは喫緊の課題となっている。2001春闘でも労使交渉・団体交渉の局面で企業内ではいかんともし難い経営問題が浮きぼりになり、低額妥結を余儀なくされた中小企業の職場は数多い。このように、個人や企業内の力が及ばないところで大きな変化が生じているのが今日の情勢であり、小泉政権での構造改革はこの危機的局面を加速させるものといえる。したがって、労働組合の闘いは職場に基礎をおきつつも企業を越えての連帯した取り組みや政策・制度面での運動課題を追求していかなければならない。

    5.  生活苦やリストラの後遺症から生きる望みを失ってのローン破産者や自殺者が増加してきている。企業の都合で一方的に職場を追われる労働者にとって、労働組合がその安全網(セーフティネット)の役割を果たさなければならない。グローバル化や競争激化を背景にリストラという名の雇用合理化が横行しているが、不当な解雇に対しては、組織をあげて解雇撤回闘争を組織してくことが必要である。また、経営困難な職場での合理化問題に対しては、経営情報の公開をもとめ、労働組合の立場からの経営点検(チェック)を行っていくことが肝要である。その基本は、雇用と権利を守る立場である。
       また経営不安要素を抱える職場については、経営情報の公開を迫っていくとともに、地方本部・中央本部と連携して企業信用調査会社のデータなど必要事項を入手して具体的な対策をすみやかに取り組んでいく。同時に、労働組合の立場で経営政策への提言能力を培っていくことを追求していく。

    6.  2000年度の全国企業倒産(帝国データバンク)は、負債総額25兆9812億円で史上最悪を記録。件数は1万8926件で過去3番目に多い。協栄生命、千代田生命などの保険会社、そごうグループなどの大型倒産などが目立っているが、流通・サービス業や製造業分野で中小企業も数多く倒産しているのが現状である。
       工場・事業所の移転、閉鎖など雇用に係わる合理化課題については、労働組合と事前協議・同意約款の協定化をすべての分会ですすめていく。また、事前協議・同意約款が協定化されていても、いざとなった「経営問題であり、経営者の専権事項」であるからと経営者は労働組合との協定を無視して合理化を強行することが最近増加傾向にあるので、協定があるからと安心することなく、日常の取り組みを強化していく。
       企業閉鎖・倒産攻撃には生活と権利を守るため事業継続を追求していく。中小企業においては同族経営も多く、経営者の世代交代にともなって組合との協定・慣行を無視しての合理化提案や経営意欲の放棄も目立ってきている。倒産の事態には、素早い対応が基本である。企業再建をめざして職場占拠・売掛金などの確保を取り組むとともに、最低でも未払い賃金など労働債権の確保、退職金の(割増保障)、予告手当の確保と経営責任の追及を行っていく。労働債権が十分に確保出来ない場合には経営者の個人資産を含め会社の資産の組合への譲渡を求めていく。
       中小企業での経営危機では、その当該の経営者だけでなく親企業、金融資本(メインバンク)、主要取引先などの経営姿勢も大きく係わっている。とくに新会計制度のもとで関連企業の再編成・整理・統廃合が現実なものとなっている。日常不断に点検活動を行い、実質的に経営を支配し関与している背景資本への責任追及行動をも射程に入れて地本・中央本部が連携して取り組んでいく。

    7.  組合つぶしを意図した様々な攻撃、不当解雇や不当労働行為には組織をあげて反対闘争を組織していく。リストラ・不当解雇の場合には地方裁判所への地位保全での仮処分を求めての裁判闘争や労働委員会など第三者機関を活用しての闘争拡大をはかっていく。ただ、この場合に留意しなければならないのが、裁判所や労働委員会依存になり、職場での闘いや地域での闘いがおろそかになってはならない。あくまでも闘いの基本は職場であり、そこの力関係で解決を迫っていく大衆行動を基本に取り組んでいく。
       争議組合の闘いでは、地方本部が軸となって共闘体制を確立し、地方連合へも積極的に支援を要請し、地域労働運動全体で当該支部を支えて闘っていく。
       複数の都府県にまたがる争議、背景資本が全国企業の争議については、中央本部も支援共闘会議などへ参加するなど積極的に係わり、闘争の全国化をはかるため指導体制の強化し、早期の全面解決をめざして闘っていく。
       争議(権利争議・解雇争議)を闘うにあたり、一職場の権利水準はその地域の権利水準を規定する要素があるので、単に支援を求めるということだけでなく、地域共闘強化の視点をもって、積極的に地方連合などに問題提起を行っていく。

    8.  集団的労使紛争は減少傾向にあるものの、一方個別的労使紛争は、未払い賃金や退職金の支払い、解雇の撤回などで、増加傾向にある。2000年の1年間に全国の各地方裁判所に起こされた労働関係の民事訴訟は2063件と過去最多となっている(最高裁調べ)。このように個別紛争が多発する状況のもとでその解決に向けて「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」が6月29日に国会で可決、成立し、10月1日施行で作業がすすめられている。個別紛争解決に向け迅速・適切な解決を図るため都道府県労働局の「助言」「指導」や「紛争調整委員会設置によるあっせん」を行うとともに、「都道府県知事の委任を受けた地方労働委員会での相談、あっせんによる紛争処理」が盛り込まれた。
       すでに地方労働委員会では個別紛争について、その対応を行ってきている地方もあり、すべての都道府県での個別紛争処理に対処することを求めるとともに、個人加盟を原則とする労働組合としての全国一般機能の役割り拡大に向けての取り組みをはかっていくことが重要となっている。と同時に、労働組合が存在していても個別紛争が拡大するという状況をふまえ、職場組合員の要求や苦情を常に職場組合役員が汲み上げていく活動強化と未組織職場の組織化を強力に推進していかなければならない。また、警戒すべきは「個別紛争解決」に道を開いたのであるからと、個人加盟労組の規制(労働組合要件や交渉要件の新設など)については、断固反対していく

    9.  現在の有期雇用契約の最長期間は1年間であり、公認会計士、医師、弁護士、一級建築士、薬剤師など専門職と60歳以上は1999年4月から最長3年が認められている。この有期雇用期間について経団連は5年への延長提案をしており、この受けて政府の産業構造改革・雇用対策本部は、営業職など一般職についても3年契約への延長を打ち出そうとしている。
       すでに女性の労働者の4割、男女合わせても2割を越える労働者が有期雇用として時間給で働いている。「働く者の選択肢を増やす」という美名のもとで、安上がりで必要なときだけ雇い入れる有期雇用労働者に置き換えるものであり、有期雇用の緩和策は労働者の権利低下に直結するものであり、その拡大に反対していく。

  2. 2002春闘に向けて
    1.  企業の業績や産業別組織を超えた統一要求と統一闘争で組織労働者が闘うのが春闘である。したがって、ナショナルセンターである連合が、賃金水準を明らかにした上で上げ幅を含めた統一要求基準を明示していくことが必要である。
       2001春闘で連合は統一要求水準の提示にとどまり、産業別部門連絡会・産別組織の「自主性」に委ねた要求づくりとなった。しかも定昇相当分や妥結内容についても個別組合ごとの獲得状況についての情報開示がすすまず、結果として春闘相場と中小・未組織への波及が一層困難な闘いとなった。このことを踏まえ、2002春闘は闘う態勢づくりを強固にした統一要求基準を設定し、賃金水準、定昇など情報公開をすすめていかなければならない。

    2.  鉄鋼の複数年協定化や賃金は総合的労働条件改善闘争の一つとして賃金闘争を軽視する傾向が強まっている。しかし、連合の生活アンケートや全国一般の調査では、賃金についての不満も高まっており、格差も拡大しているなかで、労働者の共通の要求課題である賃金闘争を春闘の柱にした闘いを組織していくことが今日でも重要である。
       春季生活闘争の「社会的所得分配システム」としての機能を発揮するためにも、連合を中心にすべての組織労働者が春闘を組織し、そのなかですべての労働者に目にみえる相場形成と波及効果をおしすすめることが組織労働者としての労働組合の使命である。
       規模間格差が拡大し、中小労働者の労働条件が低位におかれている現実を踏まえ、全国一般は中小労働者の声を連合に反映させ、中小労働者自ら雇用と権利を守り、向上させるため毎年春闘を組織していく。

    3.  賃金・一時金の決定方式は業績・成果型の賃金制度が拡大している。ひとり一人の個別管理を中心とした人事制度は競争至上主義を生み出し、総額人件費管理による賃金・労働条件の切下げとなっている。
       したがって、団結できる賃金、生活できる賃金を基本とした「賃金とは何か」の学習を強化し、賃金闘争の再構築をすすめ、春闘相場形成とその波及効果を高める春闘をすすめていく。

    4.  自らの賃金・労働条件の実態を把握し、その格差の実態を明らかにした取り組みが重要である。すべての地方本部が賃金・労働条件の実態把握をすすめ、組合員の実態から要求を組織していくことが肝要である。
       全国一般は中小労働者の格差是正を一層強化するため、2002春闘に向けて春闘調査によるすべての地方本部が参加した総合的労働条件調査を取り組んでいく。

    5.  経済のグローバル化、企業間競争の激化、デフレによる価格競争は際限のない下請単価の引下げで中小企業の経営困難がひろがっている。
       経営の困難さがあたかも労働者自身の困難さと受け止められ、労働組合としての要求する権利さえ放棄することであってはならない。
       要求を組織し、経営側の逆提案に対してストライキなど大衆行動を構えた闘いが重要である。組合員ひとり一人を春闘の行動に参加させるため、地本・ブロック・業種別など効果的な討論集会を組織していく。各地方本部の春闘の取り組みを点検し、強化していくため適切な時期に五役・中執を中心にオルグ活動を行っていく。
       中小企業の経営を圧迫している要因として、下請単価の際限のない引下げなど構造的要因がある。下請代金支払い遅延法や下請振興基準などの改善、罰則の強化など政策・制度闘争を通年闘争として取り組んでいく。

    6.  大企業だけでなく中小企業でも人件費コスト削減のため、パート、契約社員、派遣など非正規雇用労働者が正規雇用に取って代わって増大している。
       これら非正規雇用労働者の組織化と均等待遇がすすまないと労働条件の際限のない切下げに歯止めがかからない現実がある。したがって、非正規雇用労働者の組織化の現状と課題、要求の組織化に向けた点検活動と組織化をすべての地方本部と職場で春闘と一体のものとしてすすめていく。同時にILO175号条約の批准と国内法の整備を求めていく。

    7.  企業法制が大きく変わり、中小企業の選別再編が加速している。全国一般は「反失業・賃上げ春闘」を掲げて春闘を組織してきたが、その基本路線を一層強化していく。すべての労働者と連帯を強化し、地域共闘を発展させながらこれからも雇用の確保、反失業を全面に掲げ闘いを組織していく。

    8.  大企業と中小企業の格差が拡大しており、ミニマム規制、最賃闘争の再構築が重要となっている。中小共闘センター、地方連合がすすめる「○○円以下をなくす」地域ミニマム闘争に積極的に参加するとともに、企業内最賃、地域・産業別最賃に取り組んでいく。さらに、賃金のナショナルミニマムとしての全国全産業一律最低賃金制確立を展望した運動の再構築を取り組んでいく。

  3. 一時金闘争
    1.  経営側は業績や個々人の能力による一時金の決定方式、つまり「賞与」として位置付け、業績に応じた成果配分の攻撃が強めているが、一時金は生活給であり、賃金の後払いである。現に一時金は住宅や教育ローンの返済や生活費の一部として組み込まれている現実がある。
       全国一般は生活向上を基本に夏季・年末それぞれの一時金闘争を組織していく。

    2.  総額人件費管理が強まる中、産業・企業の業績を反映した「業績連動型」の一時金制度の導入が主要な労働組合で増加している。  全国一般は業績連動型一時金の決定方式に反対し、一時金闘争を組織していく。それは
      @一時金は生活給であり、賃金の後払いである。
      A労働条件は労使が対等に決定するのが労働組合の生命線であり、業績による決定は交渉権の低下につながる。
      B労働組合は常に組合員の切実な要求を汲み上げ、労働者が団結することにより賃金、一時金、労働条件を引き上げてきた。業績に連動した決定方式は、労働者間の競争による業績向上を煽り、労働組合そのものの否定となる。
      C中小企業の業績は親企業や取引先からの単価の引下げなどコストダウンによって常に低水準に置かれている。そのため業績連動型は格差を拡大することにつながり、全国一般はその導入に反対していくことを堅持していく。

    3.  年末・夏季一時金の要求基準は機関会議で決定していくが、年末・夏季とも3ヵ月以上の要求を組織していく。なお、春闘時に一時金も同時決着する分会が増加しており、夏季闘争方針は早めに提示していく。

  4. 生活賃金を基礎とした新たな全国一律最賃の法制化を実現しよう
    1.  地域包括最低賃金
       パート、派遣など非正規雇用労働者の拡大が続き、低賃金労働者が拡大の一途を辿っている。この底支えの機能を担っているのが最低賃金制度である。最低賃金は、都道府県を単位としすべての産業を包含した地域包括最低賃金と特定の産業・業種を対象とする産業別最低賃金制度がある。
       中央最低賃金審議会は現行の目安制度のあり方について検討を行ってきた。目安制度については
      @現行の目安制度を維持していく。
      A地域包括最低賃金額の表示単位は当面、現行通り日額・時間額方式を維持するが、将来は時間額のみの表示が望ましい。
      B目安の表示方法はこれまでの慣行(目安は額で表示するが、その算定においては各ランク同率の引上げ率)が定着しており、当面は現行の各ランクの引上げ額による表示を引き続き用いる、など目安制度の基本的な考え方を示している。
       2001年度地域別最賃の目安の引上げは7月26日の中賃総会で各ランク同率の0.68%アップが答申された。最賃目安の引上げ率は2001春闘の引上げ率をも下回る結果となり、影響率もわずか1.1%と最低賃金としての存在感が低下している。その意味で引上げ幅だけでなく水準そのものが問われている。

    2.  産業別最低賃金
       基幹労働者のみを対象とする産業別最低賃金は、経営者側から「産別最賃の役割は終わった」とし廃止論が強まっているが、産別最賃の果たす役割は大きく、各職場での最賃協定を出発点とした未組織労働者への拡張適用していくことを基本に取り組みを強化していく。

    3.  法違反の一掃を
       生計費原則にさえ満たっていない最低賃金でさえ、違反が横行している実態にある。2000年の監督指導結果でも違反率は9.5%と高い水準であり、その改善はみられていない。しかも違反事業所の4分の1は、「最賃額を知っている」なかでの違反であり、まさに確信犯と言うべき実態にある。根っこは、労基法違反の蔓延と一体のものであり、最低賃金額違反事業所の一掃を取り組んでいかなければならない。

    4.  生活賃金を基礎とした新たな全国一律最低賃金の法制化実現を
       企業規模や雇用形態などによる格差が拡大傾向にあり、デフレスパイラル、価格破壊があらゆる産業でひろがり、その影響のもとで賃金引下げ圧力が強まってきている。ルールなき働かせられ方が広がりつつある中で、最低規制はますます重要になってきている。「春闘改革」議論においてもあらゆる立場の指導者が強調するのは「ミニマム規制」強化である。そのミニマムの原点となるのは、法的規制力をもった最低賃金の取り組みである。今日の最低賃金は、上記に見たとおり地域包括と産業別最賃及び協約拡張適用であるが、最賃委員は「専門家」として一生懸命取り組んでいるが、大衆闘争としての最賃闘争は決定的に弱いのが現状である。それは、各県毎や産業別に分断されている最賃額決定方式にも大きな要因がある。
       第一に、経済のグローバル化がすすみ中国をはじめとする東南アジアとの価格競争、賃金引下げ圧力などを考慮した場合、県境で異なる最賃決定で十分なのかといえばそうではない。第二に、交通基盤のインフラも整備されてきた21世紀にあって、県境を越えての通勤や事業所の拡散は一般的になってきているのに県境での最賃決定では二重の意味で不十分である。第三に、最低賃金法第3条で最低賃金原則について「労働者の生計費、類似の労働者の賃金及び通常の事業の賃金支払い能力を考慮して定めなければならない」とあるものの、生活保護費水準にも満たなく生計費原則からみてきわめて低い実状となっている。この最低賃金額決定こそ「上げ幅」でなく、水準そのものが課題となっている。このような課題を踏まえた場合、地域包括最賃闘争を強めていくことによって全国全産業一律最賃につなげていくという論もあるが、「専門家的」取り組みとは質の違う大衆運動としての全国一律最低賃金制の確立が運動論的にも重要になってきている。
       そのため、全国一般は生活賃金を基礎とした新たな全国一律最低賃金制の確立に向け、学習討論を組織するとともに、連合に全国一律最低賃金制確立の取り組みの要請を行うなかで、実現に向け広範な取り組みを展開していく。

  5. 労働時間短縮闘争の取り組み
    1.   労働時間短縮は賃金引上げと表裏の関係にある。労働時間短縮の取り組みは「賃上げも時短も」という位置づけのもと、時間当たり賃率を引き上げていく。
       具体的には「仕事と家庭の両立、ゆとり・豊かさ」が実感できる社会をめざし、「年間総労働時間1800時間」の実現をはかっていく。

    2. 年間総労働時間の短縮
       すべての職場で1800時間に到達させるため、
      @所定労働時間の短縮、完全週休2日制の実現
      A時間外労働の削減とサービス残業の絶滅をめざしていく。
      B年次有給休暇の引上げと完全消化をすすめていく。
      この具体化のため「時短計画」を作成を労使交渉で協定化するなど年間総労働時間の短縮をすすめる。

    3. 時間外労働の削減、サービス残業の絶滅の取り組み
      @必要な要員が削減される一方で仕事量が増加している。また低賃金をカバーするため時間外労働が恒常化しているが、時間外労働を削減していく。
       時間外労働は限度基準が設けられ上限が年間360時間(1年の変形は320時間)と決められている。しかし、実態は特約条項によって青天井である現状にあり、特約条項の廃止を含め職場点検による36協定の見直しを行い、年間150時間をめざしていく。割増賃金率の引き上げ、人員補充、休日労働の削減、深夜労働の規制など労働条件の改善に取り組む。
      A裁量労働制の拡大と成果型賃金の導入によって、時間管理から外れた労働者が増加している。そうしたなかで、労働時間管理が適正に行われず時間外労働やサービス残業が広範に拡大している。
       厚生労働省の4月6日付け通達「労働時間の適正な把握のため使用者が講ずるべき措置基準」が出された。この通達の趣旨はサービス残業を根絶するため、使用者に労働時間管理の徹底を指導し、法を遵守させることが目的である。したがって、職場点検を徹底し、通達などを活用したサービス残業の一掃に向けた適正な労働時間管理を実現するため労使交渉をすすめる。

    4. 年休完全取得の取り組み
       年次有給休暇は初年度10日、1年につき2日増、最高25日をめざしていく。年休の消化状況を組合で点検し、完全消化に向けて要員確保の要求や組合主導による計画年休などを活用していく。

    5. 変形労働、裁量労働制について
       変形労働や裁量労働制の導入は不規則労働、労働時間管理からはずれる労働となるため、基本的には反対の立場で臨み、導入にあたっては職場討議を基本に慎重に対処していく。

    6. 育児・介護など家族的責任をはかるための取り組み
       育児・介護など家族的責任を両立させるため、育児による深夜業免除にあたって子どもの対象年齢の引上げ、育児・介護休業制度をすべての労働者に適用し、時間外・休日労働・変形労働の免除などとともに、短時間勤務制度の拡充などを取り組んでいく。

    7. 特例40条の撤廃
       特例40条の対象業種は44時間となったが、法による二重規制であり、引き続き特例40条の廃止を取り組んでいく。

    8. 「正月3カ日」の休日化の取り組み
       元旦を含めた正月3カ日は「特別の日」として、連合は休日にするよう運動をすすめている。「ゆとり社会」と逆行する正月3カ日の休日化運動を積極的に取り組んでいく。

    9. 労働法遵守の取り組み
       岩手中小・第一自校支部は、週40時間労働制の実施に伴って労働組合との協議・同意なしで一方的に制度変更・不当な賃金カットを行ってきた。この闘いは連合本部・連合岩手など幅広い支援のもとですすめ、盛岡地裁で就業規則の無効を勝ちとったが、会社は仙台高裁に控訴した。
       この闘いについて、引き続き全国一般で支えていく。

  6. 政策・制度の取り組み(略)
     総合的政策・制度要求とあわせて、規制緩和による様々な問題から起因する中小企業における産業政策と労働政策を基軸に、全国一般の業種別部会等で要求を練り上げ連合の政策制度要求実現闘争と連携した闘いをすすめる。また、各関係省庁段階や業界団との交渉を共闘関係組織とともに実施し、要求実現に向けた取り組みをすすめていく。
    @総合的政策課題、公平・公正な税制度への改革
    A安心できる社会保障制度の充実
    B中小企業政策の拡充
    C労働者の権利拡充

  7. 男女共同参画社会の拡充を取り組んでいく
    1.  性による差別と格差をなくし、ともに生き生きと働き、生活できる社会の実現をはかっていかなければならない。男女雇用機会均等法や育児・介護休業法など法的な整備はすすんできているが、その法的権利がすべての労働者が活用できる状況にあるかといえばそうなってはいない。雇用機会均等法では、雇用形態の違う労働者の均等待遇は求めていない。また、育児・介護休業制度も多くの労働者が活用できる条件にない。全国一般の各地本が取り組む労働相談でも、産休を申し出たら「辞めるように言われた」、「有給休暇さえ行使できない」という声が日常的に寄せられている。
       法的整備も重要であるが、それ以上に法的権利を行使できる環境整備が今日求められている。
    2.  働く女性の47%は非正規雇用労働者となっている。また、製造業や総合商社では、一般事務などを正規社員から派遣労働者へ実質的に「切り替え」ていく雇用合理化もすすんでいる。パートタイマー労働者、契約社員、派遣労働者、アルバイトなど雇用の多様化が現実にすすんでいるが、雇用形態がどうであれ均等待遇をうたっているILO175号条約の早期批准と国内法の整備に向け取り組んでいく。
    3.  1日4時間以下・週5日以内の短時間労働者が増加し、ダブル・ジョブといわれる複数就労を余儀なくされている労働者も増加傾向にある。これらの仲間は、「社会保険への加入対象については、1年以上の継続雇用が見込まれ、さらに1週間の労働時間が20時間以上、年収90万円以上」という行政の指導のもとで、社会保険などセーフティネットでカバーされていない。したがって、これらの労働者への雇用保険・社会保険適用のありようについても検討し、連合政策要求に反映させ条件の拡充をはかっていく。
    4.  セクシュアル・ハラスメントの防止、女性が働きやすい職場づくりとともに、労働組合運動にとっても、女性の参画を積極的に取り組んでいかなければならない。連合は第2次男女平等参画推進計画を策定し、女性の積極的な登用を計画的にすすめていくよう、構成組織に求めている。全国一般も推進計画を積極的に受け止めて、職場、家庭、労働組合運動の様々な分野での男女共同参画を取り組んでいく。
       10月に開催される「2002連合中央女性集会」に積極的に参加し、女性差別の撤廃、男女共通規制の確立、男女平等参画社会の実現に向けての取り組みをすすめていく。同時に、中央女性集会参加者による全国一般交流懇親会を行っていく。

  8. 平和と民主主義、政治課題の取り組み
    1.  小泉内閣の誕生によって、改憲の動きが一段と強まっている。これまでの自民党政府でさえ持っていた自制を捨て、85年から実施されてない首相の靖国神社公式参拝を行うとしていて、憲法の政教分離や恒久平和の原則をふみにじる行為である。 さらに、政府解釈でも憲法違反で許されないとされてきた集団的自衛権の行使について「研究する」としている。そして日米首脳会談で小泉首相は、ロシヤや中国が強く反対し、アメリカの同盟国であるドイツやフランスなどからも「新たな核軍拡競争を招く」と懸念されている米国の新たなミサイル防衛構想の検討に理解を表明した。 共同声明では、日米同盟がアジア・太平洋の平和と安定の礎であり、戦略対話の強化が重要でさまざまなレベルでの安保協議を強化するとしている。また、兵力の構成、緊急事態での役割・任務、平和維持に関する協力などに焦点をあてるとしている。日米共同声明をソウル経済新聞は、「日本が軍事的役割を増大する可能性に憂慮せざるをえない」と報じている。
       小泉首相の言動や国会における憲法調査会(衆・参院で意見聴取)の動き、自民党山崎拓幹事長の憲法改正案まとめの出版行為は、改憲への地ならしであり、有事法制など実質的な制度づくりに踏み込み、日米軍事同盟の強化による軍備増強と改憲がすすめられるのは必至の情勢にある。
      全国一般は連合や平和フォーラム・原水禁と共に、憲法と民主主義を守る闘いを取り組んでいく。そして反戦・平和の闘いとして、日本国内からの軍事基地撤去、特に沖縄の基地撤去と平和憲法改悪を許さない闘いを全地本で取り組んでいく。
    2.  国の安全審査をめぐるずさんな管理体制によって発生し、2名の命を奪い、400名を超す被曝者を生みだしたJCO臨界事故は、9月30日で2年が経過する。 いかなる国の核開発にも反対し核廃絶にむけた運動を、全国一般は平和ホーラム・原水禁と共に各地本を中心に取り組んできている。とくにプルトニウム利用中止と脱原発・第1次プルサーマル計画導入反対の闘いは、北陸ブロックを中心にすすめられプルサーマルの今期導入断念の成果を得た。しかし、政府・自民党は導入拡大を図る動きを展開している。
       すでに諸外国では、核燃料サイクル路線は放棄され、核燃料を再処理せず一回だけしか使用しない直接処理に切り替えている。その中で日本だけがしゃにむに再処理し、プルトニウムの増産に血道を上げていることは、アジア諸国や世界に対し核武装の疑惑を広げるだけである。
       柏崎刈羽原発でのプルサーマル計画の是非を問う全国初の住民投票の結果は、原発城下町にもかかわらず計画反対が決まった。このことは、原発事故に対する不安・不信、プルトニウム利用や核燃料サイクルの世界的な撤退の流れ、JCO事故などの問題点が、確実に住民に浸透し「プルサーマルに未来はない」ことを証明したものである。
       電力の自由化は、今後急速に燃料電池などの原発代替エネルギーが普及する方向にあり、脱原発にむけて太陽光、風力、バイオガスなどの自然エネルギーを中心としたエネルギー政策転換の取り組みを強めていかなければならない。
       核兵器廃絶にむけて世界では、南半球を中心とした非核地帯が広がり、IJC(国際司法裁判所)による核兵器使用の違法性判断が出され、日本を含めたCTBT(包括的核実験禁止条約)の締結がされた。また、期限は明示されてないがNPT(核不拡散条約)再検討会議で、核保有国に「核兵器廃絶の明確な約束」をさせる成果もあげている。しかし、米国のCTBT未批准や条約違反のMND(米本土ミサイル防衛)計画の新たなる核軍拡の危険や相次ぐ未臨界核実験などさまざまな問題もある。
       CTBT批准の日本は、いかなる形であれ核開発に協力しない義務を負っている。しかし、光学ガラスメーカーのHOYA(株)がCTBT未批准の米国の水爆研究施設にレーザーガラスを納入しているのに政府は何ら対処をしてない。こうした問題の追求と同時に「核と人類は共存し得ない」ことを基本に、21世紀初頭の核兵器禁止条約の成立にむけて運動を展開していく。

  9. 国際連帯の活動(略)

X.組織の強化・拡大(略)


第55回定期全国大会スローガン

 今こそ、企業をこえた合同労組運動を再創造し、あらたな地平を切り開こう!

  1. 自民党・小泉内閣の「聖域なき構造改革」に反対し、労働者への犠牲転嫁を許さず、解雇制限法の実現・中小企業政策の充実を勝ち取ろう!

  2. 弱肉強食、優勝劣敗の市場万能主義反対!あらゆる差別・格差を縮小し、賃上げ・労働条件の向上を実現する春闘を再構築しよう!

  3. 全国全産業一律最低賃金確立の意義を再認識し、全国一律最賃の実現を勝ち取ろう!

  4. ILO175号条約の批准を勝ち取り、雇用形態による賃金差別をなくそう!

  5. 靖国参拝、集団的自衛権、有事立法化、首相公選制、教育基本法・憲法改悪攻撃に反対しよう!

  6. 連合における中小労働運動の灯を消すな!すべての中小企業労働者と大同団結し、強大なゼネラル・ユニオンをつくりだそう!