2001年08月28日
全国一般労働組合
第55回定期全国大会

全国一般は8月26日から三日間、山形県天童市で第55回定期全国大会を開催した。

大会決議及び大会宣言は下記のとおり。


1.大会宣言

 全国一般は8月26日から3日間、山形県・天童ホテルで第55回定期全国大会を開催した。小泉政権による「聖域なき構造改革・不良債権最終処理」「靖国参拝・憲法改悪」は、働く者と中小企業に犠牲を強要することが明らかになるなかで、雇用と権利を守る闘い、春闘再生、平和と民主主義の取り組み、全国一般組織の強化・拡大が焦点となり、熱心な討論が交わされた。
 第一に雇用と権利を守る闘いでは、グローバル化による安価な輸入製品との競合、規制緩和のもとで弱肉強食の市場経済主義が強まるもとで、雇用と権利を守るため中小政策の確立、業種別部会活動の強化をはかっていくことが確認された。さらに争議組合から闘いの報告と決意が披瀝され、反失業・権利侵害・組織攻撃と闘っている仲間を支援し、職場の闘いを基礎としつつ地域共闘の強化をめざして勝利させていくことを全体で確認した。
 第二に春闘再生の課題では相場の波及効果が薄れていくなかで、春闘の意義を再確認するとともに、格差の拡大、非正規雇用労働者の増大、アジア製品との競合時代に入っているなかで、生活賃金を基礎にした「全国一律最賃制」を再構築していくため奮闘することを誓い合った。
 第三に全国各地で展開されている組織拡大運動の成果と課題について相互交流を行った。インターネットでのホームページを中央・地方で開設し、Eメールによる労働相談活動やiモード対応も立ち上げている。こうしたなかで創意工夫した労働相談活動や活動家集団の配置も試みられている。さらにパートを組織化し春闘で大きな成果を得た事例など、経験にそった成果も披露された。個別紛争が多発しているなかで組織的に対応できる全国一般組織の全国的な確立を再確認し、中小・非正規雇用労働者を結集していくため、組合員参加のもとで全組織が組織拡大に集中して取り組んでいくことを全体で意思統一した。
 第四に、小泉政権の危険性が指摘され、靖国神社参拝、集団的自衛権、有事立法化など平和憲法改悪の攻撃が強まっている。さらに誤った歴史認識となる「新歴史教科書」や教育基本法の改悪など平和と民主主義が脅かされる事態に立ち至っている。
 憲法改悪に反対し平和と民主主義を守り、拡充するため学習活動や大衆行動を全国各地で一層強めていくことにした。
 これらの運動を強力に推進していくため、全国一般組織の確立が急務である。全国一般活動の担い手の育成、専従者の配置、空白県対策、そして中央・地本機能のさらなる強化など合同労組運動の再創造に向けて組織一丸となって実践していくことを宣言する。


2.組織の強化・拡大を取り組む特別決議

 全国一般は未組織の組織化が運動の生命線であり、専従活動家配置と地方本部の組織強化が最重点課題である。今日、大規模なリストラで正規雇用労働者がパートタイマー・契約・派遣労働者である非正規雇用に置き換えられている事態のなか、大企業の職場でも労働組合が従業員過半数代表になれない現象が起こっている。非正規雇用労働者数は1,257万人と全雇用労働者の25%を占め、正社員だけを組合員とする企業内労働組合は、非正規雇用労働者を組合員の対象外にしているために、労働組合の社会的影響力の低下と共に組織率も21.5%まで落ち込んでいる。
 未組織労働者の職場では「いきなり解雇された、就業規則など見たことない」など働くルールさえ縁遠い、労働基準法違反の扱いが蔓延してきている。しかも、グローバル経済優先による「なんでもありの企業政策」によって、最低基準である労働基準法が守られてきた組織労働者に、サービス残業、有給休暇が取れない等といった、労働組合の職場活動低下と共に法違反が拡大している現実にある。
   企業の41.6%で正社員が減少し、さらに、企業の71.2%が5年以内にリストラを予定するなかで、非正規雇用労働者を中心とした未組織労働者が増加し、法違反の労働トラブルが増大の一途を辿ることは明らかである。まさに企業の枠を超えた全国一般の合同労組運動の真価が試される時代に突入したといえる。
 今春闘では、全国一斉労働相談の統一ビラ作成で26地方本部が257,000枚を活用し、「組合員一人10枚の居住地区配布」など組合員参加型の組織化活動が展開された。そして、組織化に成功した地方本部もある。職場における非正規雇用労働者の組合員化は、組合員自らの労働条件と権利を守る意味でも重要なひとり一人の課題である。非組合員の組合員化は非正規雇用労働者の置かれている現実を理解し、賃金引上げや労働条件改善を共に取り組むことが重要である。そして、同一価値労働同一賃金に向けたILO175号条約批准への取り組みと企業内最賃協定締結の共同行動が大切である。
 全国一般のホームページの開設は、9地方本部に増加し11ヵ所となった。加えて、19地方本部が電子メールでの相談活動を展開してきている。さらに、「iモード版」ホームページ開設により携帯電話からホームページにアクセスできる体制もできた。
 このような日常的な相談活動は、合同労組を基本とする全国一般運動の社会性の発揮であり、未組織労働者の拠り所としての全国一般の社会的任務は一層高まっている。全国一般は総力をあげて、労働者の権利の向上や尊厳の確立に向け組織化活動を取り組んでいく。
 以上、強大な全国一般づくりに向けて組織拡大を取り組んでいくことを本定期大会の総意をもって決議する。


3.小泉構造改革に反対し、争議組合の勝利をめざす決議

 完全失業率は5%の大台に乗り、完全失業者は348万人で過去最悪の水準となっている。バブル崩壊直前の89年に比べて失業者は200万人も増加している。この失業者の日々の生活は、家族ともども不安をかかえ必死になって生活維持をはかっているのが実態である。再就職を願いながらもその道は益々狭くなってきている。再就職を果たしたとしても賃金・労働条件の低下は免れない。女性や若者にとって深刻な実態はかわらない。フリーター、パラサイト・シングルなる用語も一般的になるほど不安定な雇用実態にさらされている。若者が未来に希望をもてない社会にしてはならない。
 雇用が深刻な事態を迎えているにも関わらず、「日本は解雇が自由にできないから雇用が進まないのだ」「柔軟な雇用形態にすれば雇用は促進される」論理のもと、小泉政権は経済財政諮問会議の基本方針(骨太方針)を打ち出している。その方針では「セーフティーネット」(安全網)という言葉が各所に登場するが、それは改革が「痛み」を伴うことを意識したものであり、「セーフティーネット」があれば「なんでもあり」が基本方針といえる。
 政府(内閣府)が発表した試算でも主要銀行の不良債権(約12兆円)を処理した場合、新たな失業者が発生するとしている。民間研究機関の試算によれば「金融機関の不良債権処理によって失業者が130万人増加」というのが実態である。
 雇用対策でも有期雇用の緩和(5年)、派遣労働の一層緩和、解雇をやりやすくする「ルール化」など、勤労国民の不安を一層加速させるものである。すでに中小企業では、経営困難、企業倒産という痛みがひろがっている。小泉改革はこの痛みをより一層広げ、中小企業労働者を直撃するものといえる。
小泉構造改革は、不良債権処理をすすめるにあたって、その原因と責任を覆い隠し、労働者に大量失業を強いる「弱肉強食」「優勝劣敗」の市場優先社会をめざすものであり、その改革の危険性を徹底的に批判し、反対していくものである。
 また、現在中小企業経営の苦境が深まる中で、「リストラ」の風潮に便乗して労働者の権利はく奪、労働組合敵視、不当解雇などの攻撃がひろがっている。この攻撃に対し、雇用・権利をまもるため共闘体制を確立して多くの仲間が争議を闘っている。
 全国一般は、この争議組合の闘いを孤立化させることなく全体で包み、地域共闘の一層の強化で早期解決・全面勝利に向け、物心両面での支援を強めていくことを大会の総意として決議する。


4.憲法改悪に反対し、平和と民主主義の拡充をめざす決議

 戦争と殺りく、そして環境破壊の20世紀の負の遺産を脱し、平和と人権、脱原発などの運動が地球規模で高まっている。
 にもかかわらず、小泉自民党政権が誕生して以降、人類の生存に逆行する危険な動きが強まっていることに警戒しなければならない。
 アジア諸国の強い反発があるなかで、小泉首相は靖国神社公式参拝を公言しつづけ、8月13日公式参拝を強行した。靖国神社は戦争犯罪者であるA級戦犯を合祀した神社であり、この神社に公式参拝することは、明らかに憲法を否定し、侵略戦争を美化する行為である。史実と歴史認識を大きく歪め、憲法の平和主義を否定した改憲論を基調とする「新歴史教科書」問題でも各国からの修正要求をはねつけ、対アジアとの緊張を激化させている。新歴史教科書の採択は公立小中学校においては採択ゼロ、私立中学校で8校という結果となり、私たちが取り組んだ運動の大きな成果であった。そのなかにあって東京都及び愛媛県教育委員会が養護学校への採択を強行したことは許しがたい暴挙である。
 新たな対立と緊張をもたらすミサイル防衛構想を推進するブッシュ米政権と協力し、憲法違反の「集団的自衛権」の行使を「憲法の枠内」でもできるよう憲法解釈の変更を図り、「有事法制」の実質的な制度づくりに踏み込もうとしている。政府がすすめてきた包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効でも、死文化をはかるブッシュ政権に同調しょうとしている。
 国会における憲法調査会でも憲法前文と9条の改悪が焦点となっており、再び軍事大国化をめざす一連の動向に一層警戒を強め、平和と民主主義を守り、拡充する取り組みを職場・地域から強化していく。 脱原発・脱プルトニウムの潮流も世界的に大きな流れとなっている。日本においてもJCO事故や相次ぐ原発事故で柏崎刈羽プルサーマル計画の住民投票は勝利を収めた。この成果を生かすためにも、脱原発、脱プルトニウムの取り組みをすすめていく。
 戦争放棄と非武装、主権在民を基本とする平和憲法改悪に反対し、平和フォーラム・原水禁などの取り組みや行動に積極的に参加するとともに、平和と民主主義を拡充するため学習と大衆行動を中央・地方で総力をあげて取り組んでいくことを決議する。