2001年8月3日

2001年度第2回中央委員会

運動方針草案等が報道される。


1.週刊労働ニュース 原文のまま掲載

 新運動方針に全国一律最賃

 全国一般(田島恵一委員長)は16日、東京・神田で中央委員会を開き、春闘総括と2002年度運動方針草案を確認した。賃上げ結果について、「定昇相当分にも満たない賃上げであり、中小の賃金水準の低下に歯止めがかかっていない」と総括。「春闘の相場形成と波及効果が弱まった」と分析し、連合レベルでの「すべての労働者を対象とした統一要求基準明示」を求めるとしている。新運動方針案では、ナショナルミニマムとしての「全国一律最低賃金制度」確立を柱の一つに据えている。

 あいさつした田島委員長は、春闘に触れ、「春闘相場が見えなくなっている。相場形成して波及させることで、春闘は社会的所得分配システムとして機能していた。地場の相場を自らがつくっていく覚悟が必要だ」と強調。「経済のグローバル化というなら、地域別で最賃が異なる合理性はない。賃金のナショナルミニマムとして『全国一律最賃』制度確立をめざして運動を展開する」ことを打ち出した。  春闘総括は、「困難な中にあっても、ストや時間外拒否など闘う態勢づくりを進めた職場では、賃上げや経営の情報開示、事前協議・同意約款など一定の成果を収めた」と強調し、地方本部を含めた各レベルでの体制点検を提起している。

 新運動方針案では、「全国一般の51%の職場にパート労働者が働いている現状からすると、パート組織化の取り組みは機能していない」と分析。'非正規労働者を組織化の主要対象に定め、オルガナイザー養成も含めた組織化強化に取り組む方針だ。


2.日刊労働通信 原文のまま掲載

 未組織労働者の組織化
 全国一律最賃を掲げ一大運動を
 春闘で地場の相場形成の気構えを

 全国一般(田島恵一委員長・46000人)は16日、東京・水道橋の「神田パンセ」で第二回中央委員会を開き、春闘総括と二〇〇二年度運動方針(草案)などを確認した。全国一般は8月26日から三日間、山形県・天童市で第55回定期大会を開き、運動方針などを正式決定する。中央委員会が確認した運動方針草案は、具体的なたたかいの課題として
@雇用・権利を守る闘い
A2002年春闘
B一時金闘争
C最低賃金闘争
D労働時間短縮闘争
E政策・制度闘争
F平和と民主主義、政治課題のとりくみ
G国際連帯の活動―を柱に設定、次のように決意を示している。「社会的には多数派である中小企業労働者が労働運動や政治の場では少数派に置かれ、矛盾やしわ寄せを集中して受けている。

 全国一般は連合運動における中小企業労働者の意見反映を強め、中小労働者が自らの組織を持ち、発言し、闘いを続けていくことを堅持し、中小労働者の大同団結をめざしていく」



 運動方針(草案)は、「合同労組運動の展開で全国一般の飛躍を」「未組織の組織化は全国一般運動の生命線」と、次のように積極的なオルグ活動による中小労働運動の前進を呼びかけている。

@全国一般組織は各地方本部の歴史的経過もあり、個人加盟方式による合同労働運動型は少数で、企業別組合の連合体(中小労連型)方式が多数となっている。しかし地方本部の指導と地域共闘に支えられ、企業の枠を超えた仲間の連帯と支援で個別職場問題を全体の力で解決をはかる運動の展開は、企業内における事情と条件を優先させる企業内労働組合とは異なり企業から独立している。
 しかし、企業内主義(正社員中心)は払拭されてなく、ユニオンショップを締結してないのに非正規労働者に対する組合加入の働きかけは積極的に展開されていない。こうした状況を打破するには規約改定だけでなく、職場指導と地本運動を専従として携われるオルガナイザーの配置と職場活動家配置が前提条件となる。

A中小職場はグローバル経済(弱肉強食の市場原理)の影響が一段と強まり、地本の運動と職場活動が一体化しなければ「雇用と職場を守り、労働条件を改善していく」ことが困難な情勢となっている。このためにも職場活動家の創出は欠かせない問題であり、各地本でも様々な独自の学習会等の取り組みが開催されている。中央本部としては、今年度も本部役員による春闘時の地本激励オルグの展開と共に、五月末から六月初めに東・西ブロックに分けて第二期オルグ養成研修会を開催する。

B2000年の労働組合員数は1,153万人で前年比28万6千人減で、組織率は0.7ポイント低下し47年以降で最低の21.5%%となった。全国一般も各地本で組織化に全力を傾注したが、倒産・事務所閉鎖・合理化等によって約2,000名の組合員減少となった。
 企業規模別の組織率は1,000人以上の大企業で54.2%、100人未満では1.4%。前年から24万人増加して1,017万人となったパート労働者の組織率は2.6%の26万人で前年より1万6千人増である。全国一般でも51%の職場にパート労働者が働いている現状からすると、パート労働者の組織化の取り組みは機能していないと言える。

▼田島委員長の挨拶▲
 いま春闘の問題で考えなければならないのは、「もう上げ幅の時代ではないよ」とか「最低規制でもやればいいのでは」などが春闘改革論の中で出る。
 しかし全国一般の賃金や生活実態からいえば、30、40歳の賃金が30万、50万円の人たちと、40、50歳になっても20数万円でやっと生活している人たちを同じように比較できない。まさに中小労働者では置かれた水準を問題にするからこそ、上げ幅をしっかり取り組んでいかねばならないのだ。
 2001春闘は要求を断念した分会、要求を出したが賃上げが凍結あるいは賃金カットされた分会、要求を出し昨年実績を上回る賃上げを獲得した分会と三極化した。その中で要求未提出組合が増加している現実がある。
 また、しっかり取り組んでも、結局は経営内の企業状況の中で経営側から、組合が提案するなら我々も逆提案する権利があるよ―と合理化をする中で、合い討ち的にゼロ・ゼロで解決している組合も沢山ある。
 問題は何なのか。やはり春闘の相場が見えなくなるか、あるいは相場がなくなったことにある。
 ではどうするか、全国一般としては、これからは地場の相場をキチッとつくっていく気構えが必要だと思う。これは単に中小労働者の問題だけではない。公務員の賃金問題にも連動する。
 全国一般としては、今年の大会でもう一度、全国一律最賃を掲げることにした。企業規模や雇用形態などによる格差は拡大傾向にあり、グローバル化が格差拡大に拍車をかけている時、全国一般は全国一律でどの県にあっても適用する全国一律最賃闘争の構築をめざして、中央・地方で運動を展開していく。
 全国一般はマジメな組合として評価を得ているが、活動家の年齢をみると高齢化が進み、専従者に犠牲を集中するような組織体制が続いている。
 それで本年度は第一期オルグ養成研修会を東西ブロックに分けて開催し73名が参加したが、現役の役員も参加して全国一般の今後のあり方について討議した。
 いま産別統合がいろいろ進んでいるが、全国一般としては、その結成の原点である「中小企業労働者のための組織」をキチッと維持し、進んでいきたい。いま全国一般も正念場に来ている。ここで組織体制や財政を確立していかないと将来はない。
 全国一般も、9つの地方本部がインターネットのホームページを開設し、35のメールアドレスをはりつけている。さまざまなアクセスのルートを開発しても、組織化の体制と受け皿がなければ実施は困難である。全国一般は多くの相談から組織化の成果を得ているが、全地本参加による全国ネットワークづくりを目指していく。