2006年11月8日

地域がいきいきして、誰もが安心して暮らせる社会に向けて
沖縄で第31回地方自治研究全国集会開催される


 10月26〜28日、沖縄において地方自治研究集会が開催され、全国から約3000人が参加した。初日は、宜野湾市にある沖縄コンベンションセンターで全体集会が行われた。主催者、来賓あいさつの後、北海道大学山口二郎教授から「小さな政府論と福祉国家のゆくえ−対抗軸としての社会民主主義の創造―」の基調提起があり、続いて「一国二制度、韓国済州島の試み、アジアの交流と地域の活性化」の特別講演を受けた。その後のパネルディスカッションでは、光州・全南発展研究院院長の呉在一(オジョイル)さん、東洋学園大学人文学部教授の朱建栄(シュケンエイ)さん、琉球大学教育学部政治学助教授の島袋純さん、ジャーナリストの高野孟さんを招き「グローバル&リージョナルアジアの市民社会と自治体の役割」をテーマに行われた。

全体集会
 翌27日、28日は那覇市内の各会場において分科会が実施され、5つの統合分科会(T自治・自立 U保険・医療 V地域再生・まちづくり W人権・文化のまちづくり X環境自治体)と、さらに15のテーマ別分科会に分かれて、それぞれに活発な議論がされた。

統合分科会V「地域再生まちづくり」

「地域再生・まちづくり」で統合分科会が行われる

パネリストとして登壇する田島特別幹事
 27日午前中に行われた統合分科会V(地域再生・まちづくり)では、「地域社会におけるリスク管理と公共サービスの役割」をテーマに、全国一般評議会から田島恵一特別幹事がパネラーとして登壇した。その中で、『危険社会から安全・安心のまちづくりをする、地域のコミュニティを築く労働者が、当たり前の日常生活をおくれることが基盤になければならないが、今、そこが危うい状況となっている。安心、安全のまちづくりにあたって重要なのは、それを支える基盤が重要であり、それは何かといえば、安心して生活が維持できる雇用の安定である。連合は、21世紀宣言で「労働を中心とした福祉型社会」と提起しているが、有期や間接雇用労働者が増大するなかで、働きつつも生活が営めない仲間が増えている。
 正社員とフリーターの所得格差は著しく、住民税で5分の1、所得税は10分の1の納税という試算がでている。雇用の破壊が地域・コミュニティの財政基盤さえ侵食しているし、企業が担うべき社会的コストを逃れる中で、公的な社会保障制度(年金・健保)さえが空洞化してきている。したがって、この非正規雇用といわれる仲間を組織労働者が自らの課題として運動化するなかで、安心して住みつづけられる社会に向けての取り組みが重要といえる。安倍政権は、教育バウチャー制
度を言っているが、これは競争原理を地域に持ち込むものであり、地域のみんなが地域・コミュニティを支えていくということを崩壊に導くものといえる。自治労組織の最大の優位性は、都市部はもとより、町村においても運動を積み上げていくことができる組織が全国津々浦々に組織があることといえる。その自治労組織が、自分たちの身の回りにいる仲間にも心を配り、働くものが安心して生活できる雇用・地域社会づくりに向け、問題意識もった取り組みを追求していく』と訴えた。

自治体関連・公共サービスの現状について鹿児島地本・肥後さんが報告
浦議長もパネラーで問題提起
 27日午後にそれぞれに行われたテーマ別分科会のうち、「雇用創出・公正労働と自治体の役割」(V−B)では、全国一般鹿児島地方本部・南日本総合サービスの肥後良二さんが、「ビルメン業界から見た入札改革と民間における公共サービス」と題して、レポートを発表。指定管理者制度の導入の大きな目的である管理経費の削減達成のため、委託管理費が削減されている現場の実態、雇用条件の悪化だけでなく、一般競争入札を繰り返すことによって生じる「技術」の損失など、様々な問題点をあげ「安かろう、悪かろう」の排除を行い適正な価格とサービスを提供できるような委託企業の選定と契約制度の確立に、双方が充分に問題を意識して取りくまなければならない。と問題提起をした。
 翌、28日には「入札改革を通じた公正労働と質の高い公共サービスの確保」と題し、発注者・受注者双方から入札制度の現状と問題点、改革の方向性についてパネルディスカッションが行われ、受注者側のパネラーとして、浦議長が登壇。「自治労と統合したことにより、公正労働基準や公契約、労働者の賃金の問題を共通課題として考えられるようになったことに、意義を感じている」と述べ、続いて『行政が安く公共サービスを民間委託した時の、人員の配置、単価の切り
職場の現状を報告する、肥後さん(鹿児島)
下げは、公共サービスの安全性につながっていかないのではないか。また、指定管理者制度について、様々な条件の切り下げが提案されていること。中でも退職金制度が廃止されたり、実質的に行政の都合で退職を迫られる事態になっても退職金は自己都合退職金分しかない、など多くの問題が指定管理者制度の下で強行されている中で、私たちは、雇用だけ守っていけばいいのかという不満もある。民間は入札できなかったら、解雇され職場の閉鎖が行われる。特に労働組合の無いところでは、これが簡単に行われる。公正労働基準、公契約問題というのは労組が前面に出て取り組んでいかなければならない。地域運動を進め、現場の実態から議論をし闘っていかなければならないという実感を持っている。机上の運動方針にならないよう、自治労と民間の実態を互いに経験交流し、本当の公正労働基準を追求し、運動をつくっていきたい』と訴えた。

パネリストとして登壇する浦議長